概要

 本プロジェクトでは、グローバルな航空ビジネスを体感し、そうしたキャリアを現実に考える、さらにそのために留学等国際経験を考えるキッカケとなるような経験を学生達に提供したいと思っています。
 例えば、「航空システム国際PBL」で学生達は、ボーイングエクスターンシップ生として、ボーイング社の各部署の紹介や航空の諸問題について英語で講義を受けるだけでなく、講義で得た知識を元に、航空に関する課題や機会をチームで定義し、英語で新しい航空ビジネス策をボーイングジャパン社に提案することが求められています。また、「国際航空ビジネス入門」では、エアバスジャパン社がフランス本社や協力する国内の企業からスピーカーを募り、航空機設計、内装設計、航空ビジネス等についての講義を行い、そして講義で得た知識を元に、今後の航空機ビジネス戦略などを提案することが求められています。いずれも提案を行うにあたり、学生達が主体となって国内外の企業訪問を企画し、教室では聞けない生なビジネスの事情をヒアリングするなど、能動的な活動が見られ、学生の工学学習及び産業理解への興味を高める動機付けになっています。

科目情報

科目名学期科目番号
創造的ものづくりプロジェクトID ‐国際航空システムPBL‐学部3年生S1S2FEN-CO3g04P2
創造的ものづくりプロジェクトIID ‐国際航空ビジネス入門‐学部3・4年生A1A2FEN-CO3g34P2
創造的ものづくりプロジェクトIIID ‐国際航空システムPBL‐学部4年生S1S2FEN-CO4g64P2
創造性工学プロジェクトID ‐国際航空システムPBL‐大学院修士・博士S1S23799-504
創造性工学プロジェクトIID ‐国際航空ビジネス入門‐大学院修士・博士A1A23799-534

※最新の開講状況はシラバス・便覧をご確認ください。

指導教員

土屋 武司・小林 美和・好田 二朗

活動内容

 今年度は、A1A2の方の授業内容を一新しました。講義で得た知識を元に、今後の航空機ビジネス戦略などを提案することは、これまでと変わりませんが、A320A350といった大きさの期待のエアラインビジネスに関する提案ではなく、スタートアップに近い、新規事業の提案を学生と目指しました。学生には、航空事業への興味や知識を事前には要求しなかったことも、これまでと変わりません。そして将来、重工メーカー等企業にて新規事業提案、あるいは最初からスタートアップをはじめる時に役立つ、知識や考え方の取得が目的に、キャリアのイメージや、その後の成功につながる知識と人脈を掴んでもうことを意識して授業に挑んでもらうよう学生さんにはお願いしました。 

授業のスケジュール例(このほか、セルフ調査+グループワークを含みます

10/13(金)今後20年間の航空機需要予測とエアバスの製品戦略 (エアバス・ジャパン)
11/2
(木) 座学ベンチャーとは? ベンチャーの作り方 (エアバス・ジャパン)
11/10
(金)座学 「エアラインの経営について」ご講演 (JAL
11/17
(金)座学 「宇宙ベンチャーについて」ご講演(JAL
12/1(金)ケーススタディー グループ毎に分かれて個別のモデルケースを検討
12/22
(金)ケーススタディー グループ毎に分かれて個別のモデルケースを検討

 

写真は1月の発表会の様子ですが、どのチームもハードワークで、審査員(本授業の卒業生で航空で活躍されているTettraの社長やJCABの方に審査をお願いしました。)も評価に悩んでいました。

学生の声

★ビジネスを学ぶ新しい視点
今回の授業は私にとって非常に刺激的で、新しい視点を得る貴重な機会となりました。特に印象に残ったのは、実際の会社の仕事の内容を詳しく聞くことができた点です。具体的なビジネスの実態や、企業の資金計画について学べたことは、自分自身の知識を大いに広げるものとなりました。
★多様な講師陣
エアバスジャパンのKさんのベンチャー経営に関する話や、IAさん、JALさんといったゲスト講師の豊富な経験談は、私にとって新しい視点を提供してくれました。彼らの話を通じて、起業の具体的な課題や成功の鍵について深く考える機会が得られました。特に「起業の際には人を信用しすぎるな」という教訓は、実際のビジネスにおいて非常に重要であると感じました。
★グループワークと発表会
発表会のシステムが面白く、チームでの協力や戦略を練る過程は、実際のビジネスの一端を体験するようなものでした。
私は、地域エアラインの立ち上げチームに入りましたが、収支計画や資金計画のエクセルファイルを扱うセッションは特に面白かったです。こうした具体的な数字に触れる機会は他ではなかなか得られません。数字の背後にあるビジネスの実態や、それをどう操作していくかを学べたことは、非常に有意義でした。
今後もこうした実践的な授業が増えることを期待しています!