概要

 「MBD/MBSEを用いた学生の手による世界一のソーラーボートへの挑戦」を目的に活動している。一人乗りソーラーボートを対象にして、①ソーラーボートの設計・製作を通じた機械工学や電気工学、システム工学の実践、②ものづくり・競技会参加を通じたプロジェクトマネジメントの実践、③デジタルエンジニアリング(MBD/MBSE)の活用、を学生主体のプロジェクト活動で進め、座学を中心に理解してきた知識や技術を実践を通して利用・応用できる水準へと導き、実社会における創造的事業で活躍できる学生の排出を目指す。

科目情報

科目名 学期 科目番号
創造的ものづくりプロジェクトIP ‐ソーラーボートチャレンジ‐ 学部3年生S1S2 FEN-CO3g16P2
創造的ものづくりプロジェクトIIP ‐ソーラーボートチャレンジ‐ 学部3・4年生A1A2 FEN-CO3g46P2
創造的ものづくりプロジェクトIIIP ‐ソーラーボートチャレンジ‐ 学部4年生S1S2 FEN-CO4g76P2
創造性工学プロジェクトIP ‐ソーラーボートチャレンジ‐ 大学院修士・博士S1S2 3799-516
創造性工学プロジェクトIIP ‐ソーラーボートチャレンジ‐ 大学院修士・博士A1A2 3799-546

※最新の開講状況はシラバス・便覧をご確認ください。

指導教員

村山 英晶・青山 和浩・北澤 大輔・米倉 一男

活動内容

1.プロジェクトの立ち上げ
4月21日に初回打ち合わせを実施。チームのリーダーを決め、Hull&Foil、Electricity、Control&Motion、Propulsionチームに分かれて設計を進めることとした。また、全体ミーティングを隔週開催することとした。
2.設計・製作
ソーラーボートのシミュレーションが可能なMATLAB Simulinkのコードや関連論文が共有され、各チームに分かれて設計を進めることとした。
ソーラーボートの設計・製作全般の知見を有する鵜澤潔金沢工業大学教授、炭素繊維強化プラスチックなど先進複合材料を用いた船体製作のエキスパートである金沢工業大学の埜口氏、MUSEの佐多氏と打ち合わせを実施した。
ボートは水中翼船として設計することとした。下図(左)に水中翼の概形を示す。また、水中翼を持つソーラーボートの概形と電力系システムを下図(中、右)に示す。

 

3.情報管理
Slackで連絡・情報共有、Google driveでミーティング議事録、設計データなどの共有をすることとした。購入物品がある際は、Google sheetに購入希望を記入し、原則、教員が発注することとした。

4.大会準備
2024年9月に浜名湖で開催される2024年ソーラー・人力ボート全日本選手権大会(http://jsha.blue.coocan.jp/)に出場することを目標に準備を進めることとした。教員・学生で2023年の大会の下見を実施し、関係者や大会優勝チームと情報交換を行った。

5.プロジェクトスペースの確保
海事デジタルエンジニアリング講座(東京大学社会連携講座・新領域創成科学研究科)の教育プロジェクトの一環として位置づけ、工学部船型試験水槽2階201号室をプロジェクト実施尾拠点として進めることとした。学生主体で部屋の利用ルールを水槽管理者と相談して作成した。

 

学生の声

S1/S2タームにおける活動内容
 S1/S2タームにおいては、別のソーラーボート製作の授業で余裕がなく、十分に参加することができなかった。これは私のスケジュール管理能力の不足に起因するものであり、今後は適宜コミットできるようにしたいと考えている。

垂直尾翼の概略設計
 S1/S2タームのプロジェクトは、最終的には期限切れによる締め切り延長という結果になった。この中で私が行ったことは、垂直尾翼に収まる機構の概略設計である。概略設計とはパーツ選定前の寸法が未定の状態で、どの部品をどう組み合わせるかを示したものを指し、耐荷重等の見積もりを行って各パーツの選定を行えば、詳細設計が完了する段階の物を指す。

以下に概略設計を示す。

また、尾翼全体を中空の回転軸で支えるため、この中空軸は十分剛である寸法で選定する必要がある。この中空軸上端にマウンターを取り付け、マウンターをスラスト荷重ベアリングに載せることで保持する。

 水平尾翼のピッチ制御については、現状では直動ステッピングモーターを使用し、水平尾翼前端を上下させることによって行う。水平尾翼後端はヒンジによってピッチ回転が可能な形で保持しておくことで、水平尾翼のピッチ制御機構とする。ただし、図中には後部ヒンジは存在しない。

A1/A2タームにおける活動計画

 A1/A2タームは、無人操縦のソーラーボートプロジェクトが終了しているため、より深くプロジェクトにコミットできるものと考えられる。

・垂直尾翼の詳細設計

 垂直尾翼の概念設計がS1/S2タームにおいて完了しているので、A1/A2タームではパーツを調達すればくみ上げられる段階の、詳細設計を完了したいと考えている。また、詳細設計の際には、もう一つのソーラーボートプロジェクトの反省を生かし、何度も発注作業を行って完成が遅れるようなことがないようにしたい。

・ギアボックス設計

 モーターの回転を適切に減速するためのギアボックスの設計を行う予定である。今後のプロジェクトの目標は浜名湖でのボートレース出場・優勝であり、その際に速度を優先するレースと、操縦性能が求められるレースの2種類のレースに出場することになる。そのため、各々のレースに対してそれぞれ最適なギア比をもつギアボックスを設計する予定である。

・その他機械系の設計

 現段階では、垂直尾翼とギアボックスの設計のみが予定されているが、もともとコントロール班に所属していたので、必要であれば姿勢制御のためのハイトセンサー周りの設計も行いたいと思う。

大会結果

2024年ソーラー・人力ボートレース全日本選手権大会
  • ソーラーボート部門 クラスA クラス総合順位 4位

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