概要

  近年、急激に社会に浸透してきた小型無人航空機、いわゆる「ドローン」には計り知れない可能性がある。そこで、ドローンの各分野の専門家をお招きし、構造、飛行制御、法律ルール、飛行方法に関する講義を受ける。その後、ドローンを使ったビジネスを展開している方々からビジネスプラン策定に必要なレクチャーを受ける。そして、学生自らドローンの持つ潜在能力を活かした新たなビジネスプランの創造を行う。

 

科目情報

科目名学期科目番号
創造的ものづくりプロジェクトIH ‐東大ドローンプロジェクト‐学部3年生S1S2FEN-CO3g08P2  2023年度開講
創造的ものづくりプロジェクトIIH ‐東大ドローンプロジェクト‐学部3・4年生A1A2FEN-CO3g38P2 
創造的ものづくりプロジェクトIIIH ‐東大ドローンプロジェクト‐学部4年生S1S2CO4g68P2    2023年度開講
創造性工学プロジェクトIH ‐東大ドローンプロジェクト‐大学院修士・博士S1S23799-508      2023年度開講
創造性工学プロジェクトIIH ‐東大ドローンプロジェクト‐大学院修士・博士A1A23799-538

※最新の開講状況はシラバス・便覧をご確認ください。

指導教員

土屋 武司 ・坂本 義親

活動内容

 4月開講Sセメスターは以下のスケジュールで講義を行った。担当講師は坂本義親 非常勤講師、土屋武司 教授である。坂本講師が基礎を講義し、また学外から専門家をお招きして話題提供をしていただき、質疑応答、関連事項を議論しながら進めた。

4/26(水) 自己紹介と研究チーム(関連法規・社会応用事例)の組成
5/10(水) 登録講習機関講師による無人航空機の操縦ライセンス国家試験を知る
5/17(水) チームに分かれて資料作成 [ 自習 ]
5/24(水) ドローン関連法規チーム調査結果の発表
5/31(水) 社会応用事例チーム調査結果の発表
6/ 7(水) ドローン構造と操縦体験
6/14(水) ドローンプログラミング
6/21(水) DRONE STAR 開発秘話 (ITビジネスモデル×ドローンビジネス)
7/ 5(水)  空飛ぶクルマの社会受容性
7/12(水) ANAドローン・空飛ぶクルマ最前線

学生の声

1. 授業参加の動機

前学期に履修して面白かったという先輩の話を聞いて私も履修した。元々航空宇宙工学生として最新のエアモビリティに興味があったが、この授業では工学的な視点だけでなく、さまざまな分野から先生をお呼びしてオムニバスな授業を受けることができるというのが大変魅力的であった。

2. 講義で学んだ内容

この授業では、株式会社ORSOの代表取締役である坂本義親氏がメイン講師となり、さまざまな分野のプロをお呼びして講義していただいた。ドローンの技術的な課題についてだけでなく、ドローンを用いた職や法律、応用例についても学べた。同じドローンについての授業でも毎回異なる分野から内容の濃い授業をしてもらえるため、ドローンについてより多面的に学ぶことができた。また、ドローンに限定せず、万博が近づいて話題となっている空飛ぶクルマの実現性についての授業や、坂本氏による企業運用について学ぶ回もあった。映像を見たり講師の体験を聞いたりして、空飛ぶクルマの音がとても静かであること、企業運用にはニーズを満たすのが重要であることを知れた。
 工学生として大学の授業を受けていると、どうしても技術的な問題ばかりが取り上げられるため、実際の需要や現実問題について深く洞察する機会があまりない。実際にドローンをビジネスにしている方々から現場の声を聞けたのはかなり貴重な機会であったと思う。

3. その他

大学でよくある普通の座学と違って、この授業はより体験型な授業であるのが大きなポイントだったと思う。ORSO社のドローンを実際に操縦体験してみたり、班で分かれて調べ学習をし、発表を行ったりと、かなり能動的な学びを基調とした講義は、毎回飽きずに楽しめるものであった。
 また、毎授業後に名刺交換を推奨していたのも特徴的であった。就職活動中の学生などは名刺交換をして更なる企業体験やインターンにつなげている人もいた。

4. 授業を通して

今まではドローンを中心とした複雑なネットワークを断片的に工学の視点からのみ見ていたことに気づかされ、物事を俯瞰的に見ることの重要性や難しさを学ぶことができた。航空工学によって社会を便利にすることが私の目標だったが、授業を受けて、開発ばかりに盲目的に取り組むのではなくその他の分野への影響も視野に入れることも同時並行で考えられるようなエンジニアになるよう心がけたいと思った。